大阪市製材業協同組合 - 地球のために木を使おう

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マレーシア植林ツアーに参加してマレーシア植林ツアーに参加して

湯川昌子
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みなさんは「森林の木を切ることは悪いことだ。」「切られた木は、泣いている。」と、思っていませんか?これは、間違いです。森林の木は適当な時期に、適当な数量を切る必要があるのです。よくないのは、切りっ放しにすることです。「切ったら使う。」「切ったら植える。」これが大事なことなのです。今、日本は循環型社会を目指していますが、森林も同じです。ペットボトルや空き瓶のように、リサイクル・リユースが目に見えて結果がすぐわかる、というわけにはいきません。長い長い年月が必要です。 でも、今それをやらなければ、将来私たちの子どもたちやその子どもたちが困るのです。 高度成長期に、日本は東南アジアの木材をたくさん輸入しました。現地に駐在員をおいて、どんどん日本に丸太を送りました。当時の現地政府も外貨が入るので、制限をしませんでした。でも、森林の木には限りがあります。各国政府は、丸太の輸出を禁止するようになりました。この頃は「切りっ放し」だったのです。

「それではいけない」と、マレーシアで植林事業を始めた会社があります。 大阪のサバ造林㈱です。このサバ造林への出資会社である、越井木材工業㈱の越井健 会長〈当時は社長〉は、「森林資源の恩恵を受けるのみでなく、有効に活用して植林・育林するという循環型経営を目指す。」という強い気持ちから、1995年から研究調査に取り組みました。
「アカシア・ハイブリッド」という自然界で偶然誕生した樹種と出会い、試験植林・研究を重ねた上で、さらに、事業植林の為に試験植林で事業化研究を重ね、2004年末から事業植林を開始しています。事業植林開始後にサバ造林㈱を設立(2006年12月)しました。この会社は越井木材工業㈱と朝日ウッドテック株が出資して設立した日本の会社です。現在はこの会社が植林資金を提供して植林を実施しています。現地の会社はKm Hybrid Plantation Sdn. Bhd社(日本側とマレーシア側の合弁会社)です。 アカシア・ハイブリットはとても成長が早いので、15年経てば建築用材として利用 できます。

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平成23年6月17日から6日間、私たちはマレーシアに植林に行きました。 「私たち」とは、製材業・木材市場・フローリング加工業・木材倉庫業・木材加工業・木材仲買業・木材業界新聞社など、日頃材木を扱っている大阪の業者15名です。 関空からコタキナバルまで、約5時間半のフライト。空港に降り立った時、蒸し暑さを感じました。到着した日は、植林についてオリエンテーリング。 翌18日、いよいよ植林地に出発です。
バスで、2時間半。バスから四輪駆動車に乗り換えて、いざ植林地へ。

 越井木材工業㈱が植林を行っているところは、マレーシア連邦サバ州ケニンガウ地区にあります。私たちは、最初にアピンアピン試験植林場を見学しました。ここは、アカシア・ハイブリットの植林や育林のノウハウを確立するために、2000年から試験植林が始まったところです。(最初は、アカシア・マンギュウムも植えていました。) 南方産広葉樹の産業植林は、世界でも初めての試みのため、
・苗木の育成方法は?
・苗木と苗木の間隔は、どれぐらいにしたらよいのか?
・枝打ちや間伐の時期および間隔は、どれぐらいにしたらよいのか?
等々、いろいろな研究が行われました。枝打ちするために、日本から6mの梯子を取り寄せたそうです。きちんと区分けされて、苗木の間隔や間伐の割合を表記した看板が、目印となっています。
 アピンアピンから、またまた車で移動。スック事業植林地に到着です。
いよいよ、この旅行最大の目的である植林を行います。事前に現地社員さんが掘ってくれた穴に、苗木を植えます。苗を包んでいるポットをそっと外し、自分の場所と決めた穴に大事に大事に埋めました。周りに土をかけ、「りっぱに成長してね!」と声をかけながら、水をたっぷりやって終了です。最初の1年間は、他の木や雑草に負けないように、しっかり下草刈りをしなければなりません。本当はそこまで面倒をみなければいけないのですが、社員さんにお任せして、 4年後成長した苗子ちゃんに会いに来る約束をしました。
その後、車で植林地を見学しました。植えてから1年後の地区。まだ林にはなっていませんが、それぞれ人の背丈を越しています。3年後の地区。そろそろ「生い茂った」という表現がふさわしくなってきました。5年後の地区。りっぱな林です。間伐もされているため、よく見ると縦横にきれいに並んでいます。植林したものとはいえ、自然界の生き物なので、中にはななめになっているもの、歪んできているものもありましたが… 青々とした林から一転、真っ白な木が並んでいる区域がありました。右も左も。これは火事で焼けたあとだそうです。「立ち枯れ」と言って、もう生きていません。なかには黒くなっているものもありましたが、大半が真っ白な木でした。火が移らないように、道幅を広く取ったけどだめだった。と越井会長がおっしゃっていました。
ここまで成長したのに…と、心が痛む風景でした。

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 やがて車は、苗木の生産をしている「ミストハウス」という施設に着きました。 ここは、用材に適したアカシア・ハイブリット母樹のクローン増殖を行っています。 数種類の母樹から穂を取り、ミストハウスに植えます。霧状の水が一日数回散布され、 3週間経つと根が出てきます。これを、ポットに植え替えて 寒冷紗のかかった場所に移します。少しずつ日光に慣らし、外気にも慣らしていきます。3か月経って、やっと屋外で育苗するのです。この方法を確立するまで、いろいろ研究したそうです。

(独)材木育苗センター、京都大学、九州大学、北海道立林産試験場などの協力や指導を受けているといっても、一企業でできる仕事ではありません。 植林や育林にかける越井会長の熱い思いを、ひしひしと感じました。  アカシア・ハイブリットは成長が早い樹種ですが、それでも用材として使えるようになるまでには、最低15年かかります。しかし、「今やらなければ!誰かが始めなければ!」と、越井会長は未来の地球を守るために、植林活動を始めたのです。 この思いは、社員さんにも通じていて、みんな一生懸命でした。

最後に越井会長の言葉を紹介して、締めくくりたいと思います。  
「木を育てることは、人を、夢を、育むこと。」

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